社会

2013年11月20日

2013年11月19日 掲載

 みんなの党の裏切りで、国家機密を漏洩した公務員に厳罰を科す「特定秘密保護法案」の成立に自民党が突き進んでいる。

 19日午前の衆院国家安全保障特別委員会の質疑で民主党の辻元清美氏は、秘密対象を外国政府との共有情報に限定する党の対案を出し、政府との対立姿勢を強調。日本維新も「30年後の全面公開」「範囲を防衛に限る」、秘密指定を監査する「第三者機関」の設置で譲らず、与党が修正案をのまなければ、「席を立つのも選択肢のひとつだ」との強硬論も出ている。共同代表の橋下徹大阪市長も「第三者機関は絶対に必要。みんなの党の修正案では不十分だ」と市役所で記者団に答えた。

 しかし、与党は18日、みんなが要求した特定秘密を指定する際に首相の同意を義務付けるなどの修正案に同意。これだけで、みんなの党の山内康一国会対策委員長は「誠意ある回答だった。趣旨をおおむね認めてもらった」と喜んでいたから開いた口が塞がらない。与党は首相の関与を形式的に明記するだけで、実務を各省庁が担う実態はほとんど変わらない。みんなは19日午前の政調部門会議で与党との修正協議を執行部に一任してしまった。

 野党の強硬な反対があっても、公明党とみんなをすでに抱きこんだ自民党は、これで仕事は終わったと言わんばかり。「野党をひとつ抱き込んだことでもう十分」と、民主と維新の修正案に応じる考えはなく、21日にも衆院特別委員会で法案を可決し、今週中の22日にも衆院通過を目指す。

 19日午前の党本部前には、みんなの裏切り行為を知った市民団体「秘密保護法を考える市民の会」の有志が集まり、「知ろうとするだけで犯罪」などのプラカードを掲げて抗議。「みんなの党のみんなとは誰のことか」「一人一人の議員はどう思っているのか」などとシュプレヒコールを上げた。

日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/news/146057

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2013年10月03日

2013年10月2日 掲載


デフレ下で8兆円もの大増税

「熟慮したうえでの私の結論だ」――と予定通り、消費税増税を実施すると安倍首相が発表した。来年4月から消費税率は8%に引き上げられる。再来年10月には、10%にアップされる予定だ。

 これで日本経済が、再び深刻なデフレ不況に逆戻りするのは確実である。国民はあまりピンときていないようだが、消費税増税の破壊力はとてつもない。

 そもそも、日本経済がデフレ不況に陥ったのも、97年に消費税率を3%から5%に引き上げたのが原因である。あれ以来、日本経済は15年間もデフレに苦しみつづけている。厚労省の統計によると、労働者の平均賃金は、97年度の446万円をピークに12年度は377万円へと、70万円もダウンしている。

 恐ろしいのは、今回の消費税増税が与える打撃は、97年の比じゃないことだ。

「97年の日本経済は、バブルは崩壊していたが、まだ体力がありました。しかし、いま日本経済は15年間もデフレ不況が続き疲弊している。雇用は壊れ、労働者の約4割は非正規雇用です。貯蓄なし世帯は約30%に達している。消費税8%は、8兆円の大増税です。瀕死の状態なのに、8兆円もの大衆増税を実施したら、とても日本経済は耐えられない。大不況に陥るのは目に見えています」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)

<再び自殺者が増加する恐れも>

 消費税率が8%、10%となったら、国民生活はどうなってしまうのか。

 政府の「経済諮問会議」がまとめた資料によると、消費税率が8%にアップすると、国民1人当たり年間5万円の負担増になるそうだ。4人家族だと20万円である。ただでさえモノの値段が上がり、国民はカツカツの生活を強いられているのに、20万円も国家に吸い上げられたら、立ち行かなくなる世帯が続出しかねない。

 庶民の生活が苦しくなれば、モノは売れなくなり、ますますデフレは悪化していく。デフレ脱却は遠のくばかりだ。

 もっと苦しいのは、中小企業である。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。

「消費税率が引き上げられても、中小企業は簡単に価格に転嫁できないと思う。いま105円で売っている商品は、引き続き105円で売るようになるのではないか。価格競争が激しいために、値上げすると売れないからです。結局、消費税アップ分は、自分で負担するしかなくなるでしょう。でも、中小企業は経営が苦しい。負担することに耐えられるのか。泣く泣く従業員の給与を下げたり、倒産に追い込まれる企業も出てくるでしょう。それがまたデフレを加速していくことになります」

 もともと、消費税は滞納額が年間4000億円と、国税のなかでも飛び抜けて滞納の多い税だ。消費者から預かったはいいが、経営が苦しくて使ってしまい、払いたくても払えない中小企業の経営者は予想以上に多い。97年に消費税をアップした時は、自殺者が急増し、初めて3万人を突破した。

 問題の多い消費税は、アメリカだって「導入すべきじゃない」と、いまも採用を見送っている欠陥税制である。デフレ不況下で税率をアップしたら、この国はそれこそ崩壊してしまう。

日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/news/144920

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2013年09月18日

2013年9月17日 掲載

「悲劇のヒロイン」といわれた新次官は正義よりも組織を優先するのか。厚労省の羽田空港検疫所の医系技官、木村もりよ氏(48)に対する省内の「陰湿イジメ」事件の刑事告発が“放置”され続けている。

 この問題は、厚労省の新型インフルエンザ対策を批判した木村氏が、省内で「組織ぐるみ」の嫌がらせを受けて「抑うつ状態」になり、公務災害認定を申請したところ、厚労省側が妨害。木村氏が7月1日、厚労省の二川一男・官房長と樽見英樹・年金管理審議官の2人に対する「虚偽有印公文書作成・同行使罪」の告発状を最高検に提出する事態となった。

「告発状が最高検から東京地検に回送され、てっきり捜査が始まると思っていたら、9月に入り、担当検事が『さらに調べないと受理するかどうか決められない』なんて寝言を言い出したのです。2カ月経っても進展ゼロ。犯罪事実が明確に特定されたマトモな告発状にもかかわらず、明らかにおかしいですよ」(司法ジャーナリスト)

 厚労省のトップは郵便不正事件で冤罪被害者となった村木厚子事務次官だ。社会正義の大切さは骨身にしみているだろう。省内の女性官僚が幼稚園児並みの低レベルなイジメとウソに苦しんでいるのだから一刻も早く救済の手を差し伸べて当然だ。「私をイジメたよね」なんて言って、検察の尻を叩けばすぐに捜査は始まるはず。一体何をモタモタしているのか。次官のイスに座り、「組織のためなら犠牲もやむを得ない」と変節したのなら、腐った大阪地検特捜部と同じではないか。

 村木次官も検察もよ〜く考えるべきだ。

日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/news/144594

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2013年08月04日

2013年8月3日 掲載


消費税アップ前なのに


 消費税率を来年4月に8%に上げるのか延期するのか。安倍政権内部で賛否両論が渦巻いているが、庶民からなけなしの生活費をムシり取る“暴政”はすでに始まっている。まだ消費増税は実施されていないのに、この2年で実質可処分所得(物価上昇分を除く)が大きく減少しているのだ。

 大和総研が8月1日に発表したレポート「消費税増税等の家計への影響試算」によれば、〈年収500万円、片働き4人家族の子育て世帯〉は、2011年から今年にかけて、年間14万4500円もの負担増になっている。この間に、子ども手当は縮小、住民税の年少扶養控除が廃止され、厚生年金の保険料が引き上げられたためだ。

 大和総研はこのレポートで、「あまり税引き前の年収が変わっていないにもかかわらず、なんとなく生活費に余裕がなくなっていたり、家計収支が悪化していたりする世帯も多いものと思われる」と指摘している。なるほど、生活が苦しくなるワケだ。

 来年からの消費増税が加われば、このタイプの世帯は今後もほぼ同じペースで可処分所得が減る。16年時点で11年と比較して31万2200円(7.19%)の減少になるという。

<増税でさらに倍額が吹き飛ぶ>

 逆に、〈年収500万円の単身世帯〉は、もともと子ども手当や扶養控除がないため、この2年間の負担増は厚生年金の保険料引き上げぐらいだった。だから消費増税で一気に負担感が増す。16年時点の実質可処分所得(11年比)は17万9800円(4.56%)の減少だ。

〈年収240万円の年金夫婦世帯〉も、この2年間は介護保険料の改定分が負担増になっているくらいだったが、来年は大変だ。今年10月と来年4月に年金支給額が1%ずつ減額され、消費増税も上乗せされる。来年は今年と比べ、実質可処分所得が7万1300円(3.15%)減る。低年金者対策として、15年10月から年金生活者支援給付金が支給される見込みではあるが、消費増税分まではカバーできない。

「知らず知らずに増えている負担はものすごいですよ。扶養控除廃止、子ども手当減少、復興増税、食料品の高騰、電気代の値上げ……。少子高齢化ですから、今後も社会保険料や健康保険料、介護保険料は上がっていく。一方で、毎月発表される所定内給与(残業代などを除いた額)は13カ月連続で減少している。可処分所得は減るばかり。これでデフレ脱却なんてムリですよ」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)

 国民はもっと怒るべきだ。


日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/syakai/143818

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2013年07月25日


 富山市で2010年、会社役員夫婦が殺害され住宅に放火された事件で、富山地検は24日、富山県警の元警部補加野猛被告(54)=地方公務員法違反罪で公判中=を嫌疑不十分で不起訴とした。理由について「客観的証拠と供述が矛盾しているため」と説明した。
 逮捕容疑を認めた元警官が不起訴となる異例の事態。遺族は「悔しい。自供は何だったのか。不起訴になると分かっていて最初から計算ずくだったのでは」と、県警と地検の捜査と対応への不信感と怒りをあらわに。「警察・検察には失望の連続。裁判員裁判の下、市民の感覚で裁かれるべきだ」として、今月中にも検察審査会に審査を申し立てる方針を表明した。最高裁によると、殺人事件の強制起訴は例がない。

 地検の井上一朗次席検事は処分発表の記者会見で「証拠を踏まえており、逮捕は問題なかった。真相を解明できなかった批判は甘んじて受ける」と話した。加野被告はきょう25日の地公法違反罪の判決公判で執行猶予付き判決が言い渡されれば、釈放される。


[ 2013年7月25日 06:00 ]
スポーツニッポン
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/07/25/kiji/K20130725006290010.html

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2013年7月25日 朝刊


 富山市で二〇一〇年四月に会社役員夫婦が殺害され、住宅に放火された事件で、富山地検は二十四日、殺人と現住建造物等放火の疑いで、昨年十二月に逮捕された富山県警の元警部補加野猛被告(54)=地方公務員法違反罪で公判中=を嫌疑不十分で不起訴とした。「客観的証拠と供述が矛盾しているため」としている。


 逮捕容疑を認めた元警官が不起訴となる異例の事態。遺族は「警察・検察には失望の連続。裁判員裁判の下、市民の感覚で裁かれるべきだ」として、今月中にも検察審査会に審査を申し立てる方針を表明した。


 地検の井上一朗次席検事は処分発表の記者会見で「証拠を踏まえており逮捕は問題なかった。真相を解明できなかった批判は甘んじて受ける」と話した。


 加野被告は二十五日の地公法違反罪の判決公判で執行猶予付き判決が言い渡されれば、釈放される。


 井上次席検事は、加野被告の刑事責任能力は問題ないとした上で、不起訴の理由として、遺体の痕跡からうかがえる殺害方法や現場周辺に設置された防犯カメラの映像などの客観的証拠と、供述がことごとく食い違っていることを挙げた。


 当初は容疑を認めていたものの、捜査が進むにつれて「自分がやったかどうか分からない」と供述を後退させていることも明らかにした。


 関与を告白する文章が記録され、週刊誌「週刊文春」編集部に送付されたCD−Rについて県警は「加野被告が作成した」としていたが、地検は供述とCD−Rの作成時期や作成ソフトのバージョンが異なっていることから、作成者として認定できないとしている。


 加野被告は昨年十二月、知人の福田三郎さん=当時(79)=と妻信子さん=同(75)=を絞殺し、部屋に灯油をまいて放火したとして殺人容疑などで逮捕され、今年一月から約四カ月間にわたり刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を受けた。地検は勾留満期を迎えた今年五月、「継続捜査が必要」として起訴の可否を判断せず処分保留としていた。

◆「なぜ…」やりきれぬ怒り


 「怒りと悲しみで言葉にもできない。なぜ不起訴となるのか」


 富山地検の不起訴発表を受け、富山市内で会見した遺族は、やりきれない怒りをあらわにした。五月に加野猛被告が処分保留となってから、地検による状況説明と裁判での真相究明を求めたが、思いはかなわなかった。


 福田さんの義理の息子にあたる男性は「両親の写真を見るたびに悔しくて悲しかった」と口元を結び、福田さんの娘は「家族として悲しい」と涙を拭った。


 遺族が訴えてきたことの一つが、県警による捜査の不備。福田さんと親しかった被告へのアリバイが確認されなかったことなどが容疑者の発覚を遅らせ、物証の不足につながったと主張している。


 男性は「捜査に時間がかかりすぎている。週刊文春に被告が犯行声明文を送ったときに捜査していれば、もっと情報や証拠が出たはずだ」とも強調。同時に、地検が鑑定留置や処分保留の理由を十分説明してこなかったことも指摘する。


 会見では、被害者家族一同の談話を発表。「検察には事件に対する熱意を感じることはなかった。市民の感覚で裁かれるべきだ」とし、月内にも検察審査会に審査を申し立てることを明らかにした。

◆不安与え 誠に遺憾


<富山県警の西田隆刑事部長の話> 検察庁の判断であり、コメントを差し控える。極めて凶悪で重大な事件で真相が解明されず、遺族や県民に大きな不安を与えたことは誠に遺憾。検察庁と連携し捜査を尽くしていく。


東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072502000114.html

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2013年06月19日

2013年6月18日 掲載

いつのまにか成長戦略を支えるサイフに


 大メディアはほとんど報じていないが、我らが年金の運用方針が大きく変わることになりそうだ。

 産業競争力会議で議論になっていたもので、竹中平蔵慶大教授らが国債偏重の運用方針の見直しを提案、もっと年金資金を株に振り向けるべく、7月に有識者会議が立ち上がることになった。

 これだけだって、年金資金を株価対策に使うのか、と非難の声が出ているが、驚くのは早い。運用先の候補として、株の他に「国内外のインフラ設備などのオルタナティブ投資」が含まれているのだ。

 成長戦略では他国へのインフラの輸出30兆円が盛り込まれた。国内のインフラ整備ではPFI(民間資金活用による社会資本整備)がうたわれ、官民ファンド創設が打ち出された。どこがカネを出すのかと思っていたら、年金資金を回す計画が密かに進行中だったということだ。

 年金マネーをアベノミクスのサイフにするなんて、「国民は聞いてないぞ!」ではないか。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や国家公務員共済組合連合会(KKR)などの公的年金と、それ以外の独立行政法人がいっせいに運用方針を見直せば、約200兆円のマネーが動く。なるほど、竹中らが目をつけそうな話だが、衆院議員の山井和則氏はこう言った。

「年金資金の運用拡大については早い段階から産業競争力会議の中で検討されてきました。しかし、年金資金を成長戦略に使っていいのか。そもそも、ここからして、疑問です。年金資金は毀損しないように安全運用を目指すべきだし、海外のインフラ整備にはリスクが伴う。国民は何も知らされていないのに、勝手な変更は許されません」

 政府は「だから有識者会議を立ち上げるのだ」と強弁するだろうが、この設置時期も疑惑だ。

「運用見直しの有識者会議が7月に立ち上がれば、株式市場は期待して、沸く。参議院選挙向けの株価対策にも見えます」(山井議員)

 リスクをとって、運用に失敗したときはどうするのか。もちろん、竹中たちはもういない。


日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/syakai/142980

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