2012年04月10日

地熱発電の可能性 神保哲生さん

jinbo





神保哲生さん:(ビデオジャーナリスト)

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原発大好きという声はほとんどないです。もし容認している方がいるとしたらやむを得ないでしょう。それに変わるものがないからしょうがないでしょうというしょうがない論がどうも多い。しょうがない論も足りないうんぬんというデータは僕らがあまり信用できないんじゃないかという原子力行政から出てきているものなので本当にそのデータは信用できるのかどうか。推進してきた人たちのデータを見てしょうがないねと言っているのがあるでしょう。容認するにしてもしょうがないからであって、出来れば少なくしたいという印象です。

日本で最初に地熱発電が始まったのは60年代半ば。1970年代には2度の石油危機を受けて脱石油依存を掲げて地熱も有力候補になり、1980年代から90年代にかけて地熱の開発が急加速した。ただ2000年代に入って地熱開発は影を潜めて下火になった。

実際になぜ下火になったかを断定的に言うのは難しい。まず日本は地熱の熱源が世界で3位。アメリカが1位、2位インドネシア。火山の数でも米160、インドネシア146、日本119。次がフィリピンの47ですから参加国が圧倒的。環境学者のレスター・ブラウンさんが皮肉るんだけど日本は火山国で地震国で島国であると。一番向かないのは原発だよねと。どう見てもその裏っ返し、地熱源がいっぱいあるよね。火山国だしね。なぜか日本は原発を専ら推進して地熱は僕から見えれば意図的かと思えるほど地熱には手をつけなかった。2011年の政策経費、税金が投入されたのを比較しても原子力は3139億円、地熱は43億円。80分の1。明らかに原発はやるけど地熱はやらないという政策をしたということ。



地熱を作れば即原発のような大量の電気が作れるということではない。いろんな形で多様化していかなければならない一つの有力な電力源ではあるけれども原発に取って代わる大容量ではない。もう一つ大きなポイントは太陽光や風量は夜は太陽光がないし風も吹かなかったりもする。それに対して地熱は安定的に発電する。原発も熱を使ってタービンを回しているのでタービンを回す発電になるんですが。地熱は昼も夜も関係ない。ベースロードといって最低限確保する電力を担うのに適している。地熱をどんどん推進すると原発がいらなくなってしまう、あるいはここまでいらなくなる可能性があったということで3000億対40億という政策経費があったけど、どうもそこはライバル関係にあったということではないか。地熱をどんどんやれば原発をそんなにやらなくてもいいという声が出るのではないかというのが考慮に入れられた可能性があったのではないか。ベースロードになるのに向いている。

世界で地熱の発電容量は8位。実は日本の電力の0.2パーセントしか地熱で賄っていない。元々の潜在能力を活かしていない。

地熱には最近までとても大きな3つの壁があった。一つは穴を掘って必ず熱い蒸気、お湯が出るわけではないので先行投資しなければならない。見つかるまで。見返りの保障がないと民間ベースではやりにくい。固定価格買取制度を政府は議論しています。電力会社が買い取って電気料金に上乗せするというのが7月から始まる。固定価格買取制度が決まって地熱が25円/1kwhで決まれば先行投資が回収できる目処が立つ。

2点目は日本の地熱源は国立公園、国定公園内にあって法律ではなくて環境省の局長通達で国立公園内は開発が出来なかった。だけれども、原発事故を受けて先月国立公園内でも自然保護するための3段階あって、3番目に保護するところでは地熱発電所を作ってもいいことになった。

3番目は解決していなくて温泉組合の方が地熱発電に反対している。地熱発電所が出来ると温泉が出なくなるんではないかということを恐れている。いろんな方に意見を聞くと直接関係があると思えない方が多いんだけど、一部秋田県のほうで温泉が出にくくなったという意見があったりするんでここはしっかり調査をしてクリアしなければならない問題だと思います。きちんと情報を開示してここは保障しますとかしっかりやれば解決する問題だと思います。

1番目は7月に制度が出来ればクリアになって、2番目もクリアになった。3番目をクリアすれば、世界3位の地熱、火山国ですから。火山国だから故に地震国で原発に向かないというので地熱をやらない理由がない。気をつけないといけないのはまだ原発を推進したい人たちがいろんな形で地熱を妨害するんじゃないかという心配している人もいるので我々市民が、メディアがきちっとウォッチして地熱は発電量では原発に及ばないにしても福島で今起きている心配はないんですよね。そこは是非地熱の潜在的能力くらいまでは日本はしっかりやるべきだと思います。

政策経費は政策の重点度合いを示すバロメーターとしてはわかりやすいですよね。2010年に作られたエネルギー基本計画で原発を50パーセントにまで増やすと、14基新規で増やすと決めていたんだからこれまで日本は地球温暖化対策を含めて原発で行くと決めていたんですよ。事故が起きてこれからのエネルギー政策をどうするかを話し合っている最中なのでそれをきちんと決めることだと思います。民主主義の国なんだから市民が納得できるような、既得権益の人がこれが出来るんだからという今そういう雰囲気で動き始めているのが気になっているんですね。


エネルギー問題の特徴はどうも情報がきちんと出てきていないということ。原発についてもそうだし、地熱についても基本的な情報が出てきていないですよね。なぜか偏りがある。国の意向だったり大手企業の意向だったりいろいろあるんでしょう。情報がきちんと出ないと正しい判断は出来ませんから僕らが積極的に埋めていく必要があるんだと思います。

(2012年04月09日TOKYO FM TIME LINE)


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環境、エネルギー資源問題 | 原発事故、核問題、東電問題

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