2007年02月03日

「子供を通わせるなら私立中学、公立中学?」宮台真司さん解説

miyadai






宮台真司さん:(社会学者、首都大学準教授)

まず、ニュースから

米市場でダウ工業株の最高値更新
NYダウ、一時1万2682ドルと史上最高値を更新

この秋、郵政公社民営化、預金額がどんどん減っている。郵便貯金残高189兆8846億円。190兆円を割り込んだ。まさにアメリカの年次改革要望書で郵政改革民営化を要望した理由そのものです。


朝日新聞、読売の記事盗用で謝罪。記者を処分へ
本紙記者が記事盗用 読売新聞のHPから

今、学生を見ているとコピペ化、テンプレート化が進んでいる。試験プリントを見本にしていた。今はネット。やたら同じような答案が多い。書き写し。卒論でこれはどっかに書いてあったとか。良い内容の文章は書きやすくなったけれど、自分の内側から出ていない。自分の中身が染み込んでいない。昔は図書館で借りてメモして頭に入れていた。今の連中はインターネットで文章をコピーして提出する。知識を習得しているようで何も組み込んでいない。コピペ作法が広まってしまっている。うちから出てくるものを経験したことがない人が書いているんだと思います。

荒川強啓さん:温泉、旅番組でもうちから出てくる表現のない人ばっかりで、すごいを連発。

テンプレート化で、こういう風な処理が一般的だと。番組がつまんなくなっていて、つまんない番組は見ないようにしましょうね。


フィリピン、外国人患者に対し腎臓売買を公認へ
比が腎臓売買を公認へ、闇取引対策で年内導入目指す

倫理的問題と運用上の問題がある。前者は金銭的に売買が行われ、臓器が高騰するとお金を持っている人間しか救命されない。人道上問題。運用上は国家が一切禁止しても闇で横行すると、買えたたきで中間業者がもうかるようになりかねない。それだったら政府が介入して、価格上限を決めて金持ちだけがアクセスできるようにしないと制御したほうが良いということになる。一国の法制度だけでは成り立たない。


柳沢大臣発言

謝れば済むのか。野党も理屈を使えばいい。資質が問題がある奴が謝っているだけなんで、どうにもならない。資質は変わらないんだから、謝るんなら辞めたら。


地球温暖化。今世紀末に気温が6.4℃上昇か(国連)
化石燃料依存が続くと、21世紀末の平均気温は最大6・4度上昇するとの内容。北極で今世紀後半、夏にほとんどの海から氷が消えると予測。
今世紀末の平均気温、6・4度上昇も…国連報告が警告

ここ数年氷が物凄い勢いで融けている。6.4度で収まるかわからない。ポジティブ・フィードバック的な自己加速的要因で非線形的過程に入ると難しい。温度上昇が加速する。社会科学者が問題にしているのは僕たちの共同体的な感覚。つまり、百年後に何度になろうが自分は被害を受けないわけ。子供、孫が被害を受ける。子供、孫を自分の仲間、自分が属する共同体の船員だと思えるのなら、彼らが苦しまないようにと貢献すると思う。思わないなら、自分たちと自分の周りの奴だけ良ければいいとなる。現行世代だけの仲間を考えさえすればいいのか、将来の子々孫々も含めて同じ共同体の船員なので苦しんでもらったら困るなと思えるかどうか。
 自分の国だけでいいのか。南北問題、環境問題すべてに共通する。目に見えるところだけでいいのか。

荒川さん:中国の大気汚染は日本にかかる。

その場合でも取引になって、やってやってもいいけど何くれると。外交の話になってくる。
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「子供を通わせるなら私立中学、公立中学?」
中学受験の受験者数が5万人を超えて、過去最高。6人に1人が私立を受験する。


宮台真司さん:私立中学か公立中学かはゆとり教育とはあまり関係ない。
昔、教育と言えば地位達成。高い地位につかせるために受験させる話だったのが大半は違う。要は一貫校に入れてお受験のあらがいから身を改心させるために受験させようというのが増えている。もう一つ、確かに中学受験する人が増えたけれど、小学校の塾通いが増えたのが大きい。塾通いはゲームと同じでみんな塾行くから遊び相手もいないので塾に入れるしかない。塾では居場所感を持つ能力を要求される。名目では塾は勉強を教えるところなので、進学指導をする。塾の居場所化が増えたことで、オートマチックに受験する人が増えたと考えると、いわゆる地位達成ということと逆なんだと理解する必要がある。

 ところで、私はどうするか。今後の文部科学行政がどうなるか次第だということ。もし分権化がすすんで、公立同士が生き残りを模索するようになってある種の多様性が増してくれば、公立私立の区切りはあまり問題ではなくなる。自分、自分の子供の適正にあった学校はどこだろうかと考えて選ぶ。それを踏まえると、どんな学校かが重要で、ここで大変な逆説がある。
 日本のエリート階層は面白くて、子供を一人前にしたいと思う。そうすると、多くの良い教育環境、けんかもいじめもないし、雰囲気の良い学校というのがあるんだけれども、実は人間は抑圧さえれて壁があって緊張感があって初めて人型の人間になれる。居心地の良い環境に6年間いることによって腑抜けが、屁たれが生まれる可能性が出てくる。変な比喩ですが、教育関係のジャーナリスト、政治化には実は愛知県出身が多い。愛知県ってすげえ管理教育の被害を受けている。そうすると、実は問題意識が強くて教育に関するcreativityが高くなる。英語でPressという言葉があるけれども、翻訳すると抑圧されて抑うつ的になるくらいに表現をしている人に印象を与えることの出来るそういう人間になる可能性がある。suppress(抑圧)されて、depressive(悶々となる)になって、expression(表現をする)になって、impressive(人に印象を与える)になる。そうすると、逆説的だけれども子供にとって良い環境というのは一見良い環境ではなくて、むしろノイジーで壁があってそこそこの抑圧のある環境が良い環境だと考える。そこそこの抑圧のある環境が良い環境だと考えたりもする。いわゆる、快適な環境、問題のない環境を与えればいいというある種の衛生主義は本当は捨てないと。本当のエリート主義を考えている人は衛生主義を拒絶をする。
 個人としては酸いも甘いもわきまえている人間になるには経験値が高くないと駄目でそこそこノイズ、抑圧に接触し、いろんなことに免疫を形作り経験値を上げるプロセスが大切かな。公立、私立が良いか一概には良いとはいえない。
(2007年2月2日TBSラジオ「荒川強啓デイキャッチ」より)



 私立か公立かというよりも学校自体の良し悪し。けれども、公立のほうが良くないというイメージはあるのかもしれない。公立が悪ければお金に余裕があるなら私立に行かせば良いというふうになって、公立の学校を良くしようということを考えなくなるような気がする。自分に関わらない問題は考えないという想像力の欠如している人間が多くなると、公立の学校はどうでも良いと考えてしまうと危惧してしまう。
 宮台先生の逆説的だけれども良い環境が子供にとって真の良い環境かはわからないというものは少なからずあると思う。一貫校でエスカレーター式に大学に入ってきた学生はがつがつしていないけれど、競争心がないような気がするというのはよく聞く。あまり抑圧されすぎては駄目だが、少々抑圧された環境のほうが表現願望が強くなるということはあると思う。

radiotheatre at 23:45コメント(0)トラックバック(0) 
教育、文化、科学(物理、医学) 

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